◆1月号 『バベルの塔』
【バベルの塔】
昨年はAI(人工知能)が囲碁の世界チャンピオンに勝つなどその進化にブレイクスルーが起こりました。最近では会計士監査に人間の恣意性が入らない様にするためにAIが導入された、というニュースもありました。
ソフトバンクの孫社長は2018年にはAIのIQが人間の脳を超え、さらに30年後にはIQが1万になると予測しています。
東大生のIQが120くらいと言われていますので、想像を超える未来が訪れるかもしれません。東大合格を目指すAIの「東ロボくん」も、すでに東大二次試験問題の理系数学で偏差値76をたたき出したそうです。(ただし科目に得手不得手があるため、センター試験で足切りになるようですが…)
楽天的に考えれば、30年後はAIを活用したすばらしい世界になるでしょう。そうなると言葉の壁もなくなり、世界中の人とも気軽にコミュニケーションが楽しめるようになると思います。
しかし、旧約聖書「バベルの塔」の物語で、神々がいる天まで届く塔を建てている人間たちに、そんな塔を造らせない様にするために言葉を分けコミュニケーションができないようにし、集団を散り散りにした、という話があります。むやみに神に近づこうとすると、大きな代償をはらうことになるのかもしれません。
今年、24年ぶりにブリューゲル作の「バベルの塔」が東京に来日しますので、ぜひ見に行きたいと思います。
2017年 1月 13日