◆ 7月号 『お客様に誠心誠意つくせば利益は後からついてくる。』
今月の『力がある言葉』
⇒ 「お客様に誠心誠意つくせば利益は後からついてくる。」
いくつものビジネスを同時並行でこなし、すべてに業績を上げ、すべてが本業だと言い切る経営者の方に、利益を出すコツを聞いたところ、すごい秘訣を話されるかと思いきや、上記のような聞き慣れたお言葉をいただき、アレっと思った覚えがあります。
しかし、よくよくお話を聞けば、これは当然の答えだと思い直しました。
なぜなら、その方は経営の目的をしっかり理解していると感じたからです。
経営者の皆さんは経営の目的について考えたことがあるでしょうか?
多くの経営者の方は売上げを上げることや利益を出すことなど、お金を稼ぐということを目的にしがちです。利益を出すという目的は間違いありませんし、そのために経営計画を立てたり実績チェックをしたりすることも間違いないと思います。
P.F.ドラッカーは「利益は目的ではなく継続の条件」と言っています。
つまり、利益は継続するための必要条件であって最終目的にしてはいけないという事です。
利益というのはお金を稼ぐという行為の結果であって、あくまで物理的なものです。
利益は人間に例えて言うなら、生きていく上に必要な「血液」と言えるでしょう。
血液は体を循環することで活きるものであって、人間は血液をたくさん得ることが決して目的ではないという事と同じなのです。
人間はなぜか物理的な欲求に意識が行ってしまい精神的な欲求を忘れがちです。
これも、例えて言うなら、家族で東京ディズニーランドへ行くことが目的ではなく、家族の思い出を作ることが本来の目的であるということを忘れがちだ、ということと同じだと言えるでしょう。
そう考えると冒頭の経営者のお言葉は初心を忘れない、すばらしい言葉かと思います。
皆さんも一度、自社の本来の目的を思い出してみてはいかがでしょうか。
2012年 7月 25日