◆ 3月号 『その価値を伝える』
【経営者との面談のなかで】
『その価値を伝える』
先月号のニュースレターで「自社の商品やサービスのいいところをお考えになってはいかがでしょうか。」というお話しをしましたが、そのことについて、新規のクライアント(接待向けの日本料理店)との面談時に起こったことを紹介します。
(売上が下がってきたということで、客単価アップについて話していました)
Q あと1品追加はどうやってお客様にお勧めしていますか?
A うちの料理は5,000円とかのコース料理がメインで、アイスなどのデザートもコースに付いていますので、料理での単価アップはなかなか困難ですが、社員に研修をしてアルコールのおかわり等をお勧めするタイミングを勉強中です。
Q ちなみにコースはどうやってお勧めしていますか?
A ほとんど予約で決めてもらっています。
Q どういう説明ですか?
A コースの種類とその金額です。品数の違いを言っています。
Q 全くイメージがわかないですが、特徴はないですか?
A うちは、舞鶴漁港から直送される、とれたての松葉かにや新鮮な魚、遠方からみえる方には、地元の飛騨牛を使った肉料理を板前が・・・etc。
Q すごくいいじゃないですか。どうしてそれを伝えないのですか?
A 値段の高い料理は不況なのでいやがられると思って・・・。
そこで電話がかかり、奥様が退席(学校の先生から団体予約でした)。
戻ってきた奥様が開口一番「自分の学習能力にホレボレします。」と喜んでいました。
内容を聞いてみると、「コース料理にプラス飛騨牛もご用意できます」とお勧めしたら、メニューにない幻のコースの予約がすんなりとれたそうです。電話口で「どうする」って相談していましたが、「飛騨牛でお願いします」と言われ、いきなり2,000円×17人分客単価がアップしたと言うのです。私も思わず「それはすばらしいですね」と言ってしまいました。
なにも情報がないお客様にとっては、何をどう頼んでいいのかわからないのです。
そこで、自社の自信のある料理は、勧めるのではなく伝えるだけで売上が上がってしまうということをあらためて感じました。不況なんて全く関係ないですね。
2012年 7月 25日