◆11月号 『税制改正から感じること』
【税制改正から感じること】
安倍政権は消費税の増税、相続税の増税により「入り」を増やすことに目標を置いています。たしかに高齢化社会で、今後も年金や医療費が国の収支を圧迫していきますので、税収を増やすことは絶対に必要です。
ただし、単純に「入り」を増やすという政策には危険を感じます。
なぜなら、中小企業の「どんぶり勘定経営」に似ているからです。
とりあえず、売上を増やせば問題は解決するというような考えは、経営で言えば、収支バランスが悪いまま拡大するということです。このやり方は、解決策ではなく問題を大きくしながら先送りしているだけなのです。
どんぶり勘定経営のパターンは、売上が上がらなければ次に経費を減らします。経費を減らすのは、経費の中で一番割合が高い人件費になりま。
リストラをすれば、企業内の雰囲気は悪化し、さらに売上が落ちていくというような悪循環になっていきますので、これも問題の先送りなのです。
結果的に「勘定合って銭足らず」のようなことが起こります。
まずは、収支のバランスをみて、どこが根本的な問題なのかを見つけ、そこを中心に改善していくことがポイントなのです。ただしその時、経営者自身がそこにメスを入れる勇気がもてるかが試されるのです。
2014年 11月 11日