◆ 9月号 『取引には3つのバランスが大切』
【税理士はこう使いこなそう!】
『取引には3つのバランスが大切』
経営者とのお話しの中で売上高にこだわる方が多く見えます。
社長「新しい販売店を見つけました。これにより売上は月最低でも300万円はあがります。」
税理士「へーそれはすごいですね。ところでその販売店の取り分はどのくらいですか。」
社長「おおよそ売上の15%です。値付けから回収までをしてくれるのでありがたいです。」
税理士「その商品の粗利益は平均するとどのくらいですか。」
社長「そうですね。アイテム数はたくさんありますが、ならすと30%程度でしょうか。」
税理士「そうなると販売店に支払うコストを差し引くと実質粗利益は15%ですので、金額に
すると45万円。発送費などのコストを引くと最終利益は20万円ですね。これでは下手をす
ると赤字になる可能性がありますね・・・。」
こうやって聞くと当たり前の話しですが、現実にはついつい目先の売上に目がいってしまい、やればやるほど赤字になる取引をしているのです。
野球を例にとってみますと、ガンガン点は入れてはいるものの、守りが弱く相手に大量点をとられてしまうと、結果として勝負に負けてしまうのです。たとえ1点しか取れなくても相手を0点に押さえれば、逆に勝負に勝てるのです。つまり「攻め(収入)、守り(支出)、再投資」のバランスがあってはじめて利益が計上されキャッシュフローが生まれるのです。取引があった時に税理士に客観的な意見を求めてはいかがでしょうか。
今月の『力がある言葉』 ⇒ 「いてもいなくても同じ子供達」
ある保育園の園長が、こんな話を聞かせてくれました。
「良い保育士(最近は男女雇用均等法で保母さんとは言えません)と悪い保育士は教室を見ればすぐにわかります。子供達は何も経験がないので出会った大人の色に染まります。その保育士が怒って言うことをきかせていれば、その保育士がいるときはシーンとしていて、いないときはザワザワしています。保育士がいてもいなくても同じように子供達が仲良くきちんとしていれば、その保育士が本当に良い保育士なのです。つまり良い保育士は子供達が自発的にきちんとできるように教えているのです。特に子供達は大人と違って成長が大きいですので、悪いことをしてもこの子は悪い子だというような先入観は持たないで、本当は良い子なんだと思ってあげていれば、必ず1年後、2年後にはいい子になってしまいます。」人を育てる極意がそこにあると感じた園長のお言葉でした。
2012年 7月 24日