◆ 8月号 『なぜ、経営者は数字を見たくないのか?』
【税理士はこう使いこなそう!】
『なぜ、経営者は数字を見たくないのか?』
税理士に数字の説明をしてもらったことのないという経営者によくお会いします。
「えっ税理士に数字の説明をさせるなんて当たり前のことではないの?」
と思われた方もいると思います。
なぜこんな事を言うかと申しますと、経営者の中にはお付き合いした当初、数字を見たくないという方が結構多くいるからです。つまり、現状の数字は悪いのはわかっているので見たくないし、この先の売上げなんて予測できないと言われるのです。結果として税金の計算はしますがお金の計算(資金繰りを含めた先の状況)のアドバイスはできないこととなってしまいます。
これはまさに予防のために税理士を活用する習慣がついていないことが原因だと思います。
例えば、健康診断を例にとりますと「何となく悪いのはわかっているが検査をするのが怖い。」
というのと同じように「数字が悪いのはわかっているので見たくない。」という心理もあるのではないでしょうか。確かに未知のものには恐怖を感じます。しかし不安を先延ばしにしていていいことはありません。まずは税理士に現状をわかりやすく説明してもらうことが第一歩です。
難しい言葉もあるかもしれませんが、その都度聞いて納得していけば、当然、自分の会社のことですからおもしろくなってくるに決まっています。
税金対策だけに税理士を活用するのはもったいないと思いますがいかがでしょうか。
今月の『力がある言葉』 ⇒ 「弱みを見せてわかりあう」
ある建設業の社長が、こんな話を聞かせてくれました。
「自分は社員に言うことを聞かせるために怖い社長のポーズをとっていました。接し方も相手の話は聞いているふりをしていただけで、支配しようとしていました。しかし思うように社員は動いてくれずストレスの連続でした。」そんな社長は自分を変えようと思いましたが急に性格は変えられないことに気づき、あきらめて正直にこんな自分の気持ちを従業員に伝え社員と話す機会を増やしたそうです。そうしたらベテランの社員が「そんな社長を大きくしてあげたいんです。」と言ってくれるようになったそうです。またさらにそのシーンを見た新入社員が「こんな会社に就職できてよかった。」と後から言ってくれたそうです。
今までは、社員にとって怖くてクールな社長でしたが、今では社員の前でうれし泣きをする社長に変わってしまいました。
自分の信念を変えると、周りも変わる一例でした。
2012年 7月 24日