◆ 12月号 『後の先(ごのせん)』
【後の先(ごのせん)】
この11月は、大相撲で、横綱白鵬関が、歴代一位の連勝記録をぬりかえるかどうかが 大きな話題をよびました。
惜しくも記録更新はなりませんでしたが、多くのメディアが特集を組んでこの横綱の強さ を分析していました。そのなかで強く印象に残ったのが、白鵬関の『後の先』という 戦法です。
武道などでは、よく知られる技法のようですが、
・相手が動いて初めて自分が動き、勝ちを取る。
というものです。
ビジネスに例えれば、家電量販店やスーパー等の価格競争があります。 他社よりも安くということで、チラシをまきますが、早い時期にまいてしまえば、当然 他社は、それよりも安くしてきますし、待ちすぎれば、顧客を持っていかれます。 自社が動く時期を見極める時期がたいへん重要になります。
ここがこの戦法の難しいところです。相手の動きをいつまで待つのか・・・。 ある武道家は、このコツを『七分三分の見切り』と言っています。 六分までに動いてしまうと相手は変化が可能。八分では一歩間違えば間に合わない。 三分残ったところで対処するのがよし、としています。
知れば知るほど、高度な戦法です。 不況の中、どうしても相手に先んじようと、やみくもに仕掛けてしまう風潮があるなか 戒めとして、心しておきたい知恵だと思いましたので、今回紹介しました。
2012年 7月 25日