◆ 8月号 『得意なコースのすぐそばに一番の弱点がある』
今月の力のある言葉
⇒ 「得意なコースのすぐそばに一番の弱点がある」
今回はプロ野球の野村監督の言葉をとりあげてみます。 プロ野球ともなると、威力のある球が投げられさえすれば、打者をうちとれると いうわけではなく、威力のある球を的確なコース、つまり打者の苦手とするコー スに、正確に投げることによって、うち取ることが出来ます。
しかし、どんな優秀な投手でも機械ではありませんので、その打者の苦手とする コースに投げたつもりが、わずかにぶれてしまうことは、よくあることです。
このわずかにぶれた結果、決まって痛打されてしまうことが多いのですが、この 痛打された場面を見逃さずに、野村監督は、打たれた投手にアドバイスをおくり ます。
「得意なコースのすぐそばには、いちばんの弱点がある。逆もまた真なり。」と。
この現象は、人の行動にも言えるのではないかと思いました。
例えば、ものごとに細かいという場合、細かい、というと弱点になりますが、きっ ちりしている、といえば長所になります。
また、やさしいといえば、長所ですが、優柔不断や甘やかしてしまうといえば、弱 点になります。その差は、紙一重で違ってくるようなのです。
持ってうまれた資質で、これまで自分の短所だと思いこんでいたことが、少しだけ、 考え方などの“コース”が変わった結果、思いがけなくすばらしい長所になることも あれば、逆に長所だと思って自信満々にふるまった結果、コースがすぎてしまい、大 きな失敗となってしまう、ということも考えられます。
自分の決め球を磨きながら、さらにその決め球が最高によく決まるコース(間合い とか、分量とか)を理解していれば、コミュニケーションがうまくいくのではない か、と思いましたので、ご紹介させていただきました。
2012年 7月 25日