◆ 3月号 『お客様のために、ではなくお客様の立場で』
今月の 『力がある言葉』
⇒ 「お客様のために、ではなくお客様の立場で」
コンサルティング会社の統括マネージャーをされている方から、最近スタッフによって お客様に接するスタンスが違うので困っているという話を聞きました。
詳しくお聞きすると「お客様のためにという意識が強すぎて、お客様の立場で行動でき ていない。」と言われました。
一見聞いてみると、“ために”と“立場で”はよく似ているので理解できませんでした。
その方が言われるには、「お客様のためには、お客様が抱えている問題をこちらが一手 に引き受け解決してあげるという事ですが、お客様の立場ではお客様が抱えている問題を 一緒に考え、ご自身で解決する取り組みをサポートする事」なので、ぜんぜん違う行動な のだそうです。
つまり“ために”はお客様の今ある希望に単純に対応することで“立場で”はお客様の 将来的なメリットまで見通して今どのような選択が最適かを示してあげること、になろう かと思います。
特に、昨今では専門的な技術をもっているだけでは価格競争になってしまい、お客様に とって何がベストかを提案できる企業ではないと、付加価値を獲得できない時代になって きたと思います。
たとえば、建築業の方はどんな家に住むと快適なのか、広告業の方はどんな広告を出せ ば売上げアップにつながるのか、医療関係者は治療するだけでなく、健康でいるためには どうしたらいいのかなど、どんな企業にも、このスタンスは当てはまるのではないでしょ うか。お客様の言うとおり、ただ家を作る、お客様の要望どおり広告を作る、ただ患者さ んの治療をする(もちろん大切なことですが)だけではいけないのかもしれません。
お客様の短期的な要望を、言われるままにきくだけでなく、お客様の一歩だけでも先に 行く行動が出来るかどうかが専門家であることの境目だと感じた言葉でした。
2012年 7月 25日