◆ 7月号 『考える時間を強制的に確保し、先送りを防ぐ面談活用法』
【税理士はこう使いこなそう!】
『考える時間を強制的に確保し、先送りを防ぐ面談活用法』
昨今では、売上げが上がらないため余裕人員を抱えておけないことから営業から雑務までを少 人数でやりくりしている忙しい経営者の方々が多くなったように感じます。
また、その中で忙しい割に結果が伴わずストレスを抱えている経営者も多く見受けられます。
「経営者はもともと優秀で、状況が悪いからうまくいっていないだけで、できる環境が整えば 自然とうまく出来てしまう。」と私共は考えています。
そのような考えから、これからの税理士の仕事は、忙しい経営者の抱えている問題や最も効率 的な行動計画を一緒になって考えるということだと、痛感するようになりました。
多くの経営者は、最初は「何から話していいかわからない。」という方が多いようですが、最初 は現状の理解に時間をかけます。面談を重ねるにつれ、疑問がたくさん浮かぶようになります ので、そうなったらその問題を一緒に考える事が出来るようになります。
さらに信頼関係が深まると、経営者の方からすべてをさらけ出して話をしていただけますので、 こちらも躊躇せずにフィードバックをさせていただけるようになり、より建設的な面談が出来 るようになります。
会社の事を理解している税理士を使って考えをフィードバックさせれば、短い時間で問題点が 明確になりますので、そういうスタンスで税理士を活用されてはいかがでしょうか。
今月の『力がある言葉』 ⇒ 「コミュニケーションもサービスの1つ。」
ある製造会社の社長が、こんな話を聞かせてくれました。
「大手がつくる機械は、操作説明をしなくても怪我をしないよう何重にもプロテクトをかけ るので、かえって使い勝手が悪い。しかし、中小のウチは何度も操作説明をして、使用者が きちんと理解できるまでコミュニケーションを図るので、そんなにプロテクトは必要ないの です。よって、人にかかるコストは高いかも知れませんが、機械そのものは低コストでつく れ、しかも使用者にとっても使い勝手が良いものができるのです。」
これを聞いたとき、この会社ではコミュニケーションそのものが報酬を伴うサービスとして きちんと組み込まれ、商品(機械)の付加価値を高めているのだと気づきました。
完璧なものをつくろうとするあまり、一番大切である使う人の気持ちを全く考慮されていな いという、多くの会社が陥る罠がそこにあると感じました。
2012年 7月 5日